2005年03月01日

一病息災

無病息災ならぬ“一病息災”。この言葉は夏目漱石の門下生であり独特の小説世界を持つ作家・内田百_の随筆の中にあります。

彼は《発作性上室性頻拍》という不整脈の持病をもっていました。この不整脈は発作時には激しい動悸を感じ、患者さんの苦痛、不安は大きいのですが生命の危険はありません。このため彼はこの発作を「病気のための病気」「芸術的な病気」とし、苦しみながらも愛着を持ってこの言葉を使っていたようです。

一病を得、それを受け入れることでかえってより豊かな人生へを得ることも少なくありません。そういう意味で病気もひとつのチャンスということもあります。病を得て生活の軽量化や簡素化を図る場合もあるでしょう。もしかしたら本当に大切なものだけが病気によって選ばれるということもあるかもしれません。人生の再デザインというわけです。

バリバリの営業マンの知人がいたのですが、病気をきっかけに健康に対する意識が高まり、奥さんとご一緒に週に何度かの1時間程の散歩をされている方がいらっしゃいます。人生は一通りではなく、分かれ道もあり、いつでもやり直せるではないでしょうか。
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2005年02月17日

親からもらった体

私達人間は父の精子と母の卵子の融合した時にそれぞれの遺伝子成分が選ばれて人になります。従って両親からのいろいろな遺伝的な体質を受け継ぐことになります。

先日の新聞によりますと生活習慣病の遺伝子診断の一つとして、1万4000人の日本人の血液を調べて2万種類の遺伝子候補から高血圧に関連する中核的な原因遺伝子10種類と補助的な原因遺伝子を70種類確認したそうです。これからは自分の遺伝子を調べると遺伝的になり易い病気が判る時代になってくると思います。

でもそんな検査をしなくてもわかることはあります。親の病気は子もなり易いということです。親が糖尿病なら自分も危険性があると思わなければなりません。

比較的若いうちにがんが発生してしまう遺伝子がありこの遺伝子をBRCAと呼んでいます。この遺伝子を持っている女性は乳がん・卵巣がんの両方にかかり易いのです。その遺伝子でなくても「母が○○がんだった」と言う方はこの先、同じがんが出てくる可能性がある訳です。「父は脳卒中で逝ってしまった」 という方もいらっしゃるでしょう。以前に比べ、栄養状態がよくなったことで脳卒中は減少傾向にあります。
しかし一方で現代社会は様々なストレスが増えており、原因の異なる脳卒中は起こり易いともいえます。

親以外では兄弟・姉妹の病気はやはり自分と無関係ではないでしょう。遺伝的には親よりはやや関連性が低いのですが、体質や性格が似ている、食べ物の好みなど生活習慣が似ている、となれば同じ病気にかかる可能性も上がってきます。同じ時代を生きていることで、環境の影響も同じということもあり、自分の鏡であるという認識を持つと良いでしょう。ただし、たとえ双子でも生活環境が違うと明らかに差がでることもあるのです。これは遺伝的な要因では全ては説明できない、生活習慣や環境で遺伝的な要因を克服することも出来るという証拠でしょう。
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2005年01月26日

体の内なる声

皆さんはなんとなく調子が悪いときどうしていらっしゃるでしょうか。体調不良を同僚や家族に訴えながらもそのままにして仕事を続けていますか?

良く耳をすませてみましょう。体が何か言っています。「昨日は飲みすぎたなあ」「肩がこっているので肩の筋肉を伸ばして欲しい」「右膝が傷みかかっているので無理しないで」
こうした体からの声にならない訴えをいち早く意識することで病気やけがの予防ができます。すぐれた運動選手はトレーニング中の“雰囲気”でケガをしそうな時というのは判るそうです。その雰囲気に気がついていち早く「良くない雰囲気だぞ!気をつけろ!」と注意を促すとケガが予防でき、うっかり見過ごすと確実にトラブルが起きるそうです。
また、横綱など一流の格闘技家も同様のことが言えます。調子が悪い時には悪いなりの相撲をとることで勝ち続けるのが横綱ということです。無理をしないで成果をあげる、その方法を自分なりに編み出せなくては第一任者の地位は保てないということでしょうか。

ご自分の内なる声によく耳を澄ませてください。調子が悪いと思うときは実は気圧や自律神経と関係していることがあります、航海中に船長が「今日はしけるぞ」という話を聞きます。船長の古傷はおそらく関節痛と思いますが、関節は複雑、デリケートな構造を持っていて気圧の変化を受けやすく、天気が悪くなる前に気圧の変化を関節が自覚するのでしょう。台風が到来すると外来に喘息発作の患者さんが多いことも良く知られています。
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2005年01月11日

普通の生活

普通の生活ってなんでしょうか?女性は、総体に忙しい中でも、健康番組に注目したり、美容にこれが良いと勧める雑誌をまめに見たり、より良い物を求める心を持ち、実践しています。女性は子孫を残す性で平均寿命も男性より長く、種の永続のため本能的に情報を交換して健康に良いことに関心があるのかも知れません。
それに対して男性はそのプライドのせいもあると思いますが、こまこまとした健康情報にすぐ反応する方は少ないと思います。
現代は普通の生活をしていると病気になる、と考えたほうが良いようです。なぜなら現代食はビタミン不足でカロリー・脂肪過剰だからです。厚生労働省が出している食品栄養表をみてみますと野菜の栄養価は30年前に比べ明らかに低下しています。
その一方でカロリー摂取量や脂肪摂取量は確実に増えています。ビタミンは代謝に重要な働きをしていますから、不足気味になれば体の免疫力(抵抗力)が低下し風邪を引きやすくなったり、がんになり易くなったりします。脂肪摂取量が増えると大腸がんに罹りやすくなることが知られていますし、肥満になれば糖尿病、高血圧など生活習慣病になる可能性が増えるのです。
俳優の石原裕次郎さんは大動脈瘤の手術を受け、ある病院のベランダから手を振っているのがテレビなどで紹介されていましたが、大動脈瘤は生活習慣病である動脈硬化症から発生する病気の一つです。
動脈硬化により動脈は一見「硬く」なるのですが、実は弾力性を失って血管の壁は弱くなり血圧の力でだんだんこぶのように膨らんでしまいます。破裂する前に治療すれば大丈夫なのですが破裂すると大出血を起し、致死率は高く注意が必要な病気です。
現代はそうした食生活の変化に加えストレス社会です。昔は公衆の面前では「お天道様に顔向けできない」という言い方をして戒められたものですが今は電車の中で人に注意すればナイフで刺されると言う時代です。
また、バブル崩壊からやっと景気が回復しつつあると言われてはいるものの、企業の利益の回復はリストラによる人件費削減によると言う分析もあり、以前と同じ量の仕事を現在は半分以下の人数でこなしている、など負担のかかる生活があることはまちがいありません。
さらに特に大都市圏ではきれいな水や空気は望めないこと、やや郊外にでてもダイオキシンや環境ホルモンなど環境の悪化があります。環境ホルモンは内分泌かく乱物質と呼ばれるように女性ホルモンを中心とした体内環境を乱すものです。あるいは出生率の低下とも関連しているのかもしれません。
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2004年12月28日

何か始めませんか?

皆さんは10年後の自分の健康イメージをお持ちでしょうか?
健康イメージを持って生活するということは、ゴルフのイメージトレーニングが良いショットを打つコツであることと同様に大切なことです。
そして自分の健康法を長続きさせる秘訣でもあります。具体的には、生涯現役のカメラマンでいたい、という希望があれば、目の健康を気遣い、足腰の筋肉を維持しようという気持になるでしょう。

また、早く悠々自適の生活になりたっぷり遊びたい、という方は自分の経済力の安定、後継者育成に心を砕き、なにより健康でいなければなりません。シニアでスポーツの記録を作りたい、メダルを取りたいという希望があれば着々とトレーニングを積み重ねる強いエネルギーになります。
今の年齢が何歳であっても「将来こうなりたい」という夢が健康の源なのです。

もし、あなたが今すぐ夢が浮かばないとしたら、そして今の自分に完全には満足していないとしたら、とにかく何か一つ始めませんか?
皆さんは10年後の自分の健康イメージをお持ちでしょうか?
健康イメージを持って生活するということは、ゴルフのイメージトレーニングが良いショットを打つコツであることと同様に大切なことです。
そして自分の健康法を長続きさせる秘訣でもあります。具体的には、生涯現役のカメラマンでいたい、という希望があれば、目の健康を気遣い、足腰の筋肉を維持しようという気持になるでしょう。

また、早く悠々自適の生活になりたっぷり遊びたい、という方は自分の経済力の安定、後継者育成に心を砕き、なにより健康でいなければなりません。シニアでスポーツの記録を作りたい、メダルを取りたいという希望があれば着々とトレーニングを積み重ねる強いエネルギーになります。
今の年齢が何歳であっても「将来こうなりたい」という夢が健康の源なのです。

もし、あなたが今すぐ夢が浮かばないとしたら、そして今の自分に完全には満足していないとしたら、とにかく何か一つ始めませんか?
例えばタバコの止められない方でしたら禁煙してみることでも良いでしょう。「余計イライラするんじゃないか/太ってしまう/どうせ禁煙したって‥」と思っていませんか。禁煙したあなたはもう別の人格となり、少しだけ新たな人生が始まります。これはどういうことか?多分こうかなと頭で思っていることと実際にやってみて体や心が感じることはかなり違います。時には体に判断をまかせて頭を休めてみると何かが変わってきます。何が起こるかは、頭では予想できません。ご参考までに、タバコを止めるとほとんどの方が太ったとおっしゃいます。これはタバコの煙で胃が障害され食欲が低下していたのが禁煙により胃の調子が回復し、食欲が出てくるということです。多少の体重増加なら大丈夫。禁煙できた方なら体重管理も必ずできます。
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